店長奮闘記~今年最後の営業日に-4-
ようやくレジから30万円弱ものお金を盗られた経緯を把握した僕は本社に連絡を入れた。
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さすがの本社も両替でお金を盗まれるということに理解出来なかったようだがとにかく警察へ連絡を入れることになった。
警察の方にも電話で状況を説明したが半信半疑の様子。僕もはじめは意味がわからなったのだから無理もない。
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もう既にみんな忘年会の会場である「カラカラ」に行き静まり返った店内で、何度も何度も同じことを本社と警察に説明する私の姿をその横でじっと見つめている佐藤くんと池田さんにとってこの時間がどれほど長いものだっただろうか。
しばらくして警察の方が見えたが半信半疑の様子。当事者は佐藤くんだけなので店長である私と池田さんはただ見守るといった具合。
佐藤くんは私に説明したようにレジで実際に起こったやりとりを再びやってみせた。その都度、警察の方にとめられ細かく質問責めにあう少しでも曖昧だとすかさず突っ込まれ戸惑う佐藤くんの姿にできることなら代わってあげたいと思っていたのは僕だけではなかったであろう。
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そして池田さんにも「最後にレジ金を数えたのは何時ですか?」「正確に時間と金額を覚えてますか?」「誰かそれをみてましたか?」などなど質問を浴びせるのです。しばらくして警察の方が僕だけを呼び、ヒソヒソ話をはじめた。僕はようやくその意味に気がついたのです。僕には想像もつかなかった事を警察の方は考えているのだと。そう。犯人は佐藤くん又は池田さんではないかと。もう本当に悲惨だった。
たった一つのミスが悪党を呼び、罪の無い人まで疑われ嫌な思いにさせてしまうのだとこの時ほど感じたことはなかった。僕の危機管理の甘さが原因で、大切なスタッフたちが犯人ではないかと疑われてしまったのは紛れもなく店長である僕のせいなのだ。
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スタッフを管理して任せるという事が店長の仕事であるのに管理すなわち状況の把握をせずに単にやらせていただけという僕の怠慢ともとれる勘違いがこんなにも大変な事件を引き起こしてしまったのである。 警察としては、「この2人がそれぞれレジにいた時間に一緒にレジにいた者がいなかった。」「店内からレジは見えない位置にあり接客係りの目にもとまらない。」となると一応この2人も疑わざる得ない状況。
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それから警察の方のセリフを借りれば、「30万円といえば結構な札束になりますよね。それだけの厚みが無くなってすぐに気がつかないというのはちょっと考えられないですよね。」というのもごもっともである。でも、彼らが犯人だなんて信じられない僕は警察の方に食い下がった。それは今思うと信じられないという気持ちだけではなく彼らへの罪悪感から逃れるためだったのかもしれない。
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今までにこんなに胸を締め付けられる思いをしたことがあっただろうか。心臓をググーっと鷲摑みされるような苦しい思い。池田さんは今までに一度だってレジ金がズレたことはないし佐藤くんだっていつも池田さんの代わりにレジを任せているが不穏なことは一度もなかったのだから。
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僕は警察の方に「それはありえないですよ。」 更に「防犯カメラを観てみて下さい。前後を見ればきっとわかるはずですから。」
そしてテナントとして入っている僕のお店の防犯カメラを管理しているこのビル(ホテル)の管理室へ僕は警察の方と向かった。本社からすでに管理室へ連絡が入っていたようですぐに通してもらったが「支配人を呼びますのでこちらにかけてお待ち下さい。」と案内された。なんだか様子がおかしい。
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