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「来年牛を飼っていられるか」 飼料高騰、県内畜産家を直撃【山形新聞】

「来年、牛を飼っていられるか分からないな」。国際穀物相場の値上がりを背景にした飼料価格の高騰が、県内の畜産農家に深刻な影響を与えている。高齢化 や後継者不足で環境が厳しい中、安全・安心で高品質な生産の維持に懸命だが、飼料高騰が追い打ちを掛けるように重くのしかかり、生産者からはあきらめにも 似た言葉が聞かれる。

県畜産室によると、配合飼料価格(補てん金を除く農家実質負担価格、1トン当たり)は、2006年7-9月期に4万726円だったが、同10-12月期 は4万2923円に値上がりした。それ以降、瞬く間に高騰。今年4-6月期は5万2259円と、2年足らずで1万円以上も上昇した。

尾花沢市名木沢の「スカイファームおざき」は、肉牛の黒毛和牛約2500頭を肥育している。県内有数の規模とあって、年間約5000トンもの配合飼料を 使っており、価格高騰に頭を痛めている。同社の尾崎裕考専務兼COO(最高執行責任者)は「今のところ何とかやっているが、これ以上値段が上がればどうな るのか」と不安を募らせる。

尾花沢牛や山形牛のブランドで、関東、関西にも出荷しているが、価格への転嫁は、消費者が離れる恐れもあり、できないという。また「牛はデリケートなので、えさ代を抑えれば肉の品質が低下し味が変わってしまう。いじりたくない」とも語る。

一方、酪農はさらに厳しい状況にある。飼料や燃料の高騰に加え、酪農経営を下支えしてきた繁殖用子牛の価格が大幅に下落し、販売収入が落ち込んでいるた めだ。置賜酪農振興協議会長の井上宏三さん(74)は「三重苦。今のままでは、これ以上耐えられない人も出てきている」と現状を口にする。

国は今年2月、飼料購入費を支援する家畜飼料特別支援資金融通事業を拡充。6月には助成額を増額した。県やJA全農山形などのJAグループは、こうした 国の緊急対策に合わせ、6月から各総合支庁などに相談窓口を開設。支援や融資制度の周知を図る一方、県産の畜産商品のPRに力を注いでいるが、困難な状況 が続いている。

井上さんは「県内の生産者は、消費者に安全で安心して食べて、飲んでもらえるものを作り続けてきた。このままでは生産農家はいなくなり、外国産のものに頼らざるを得なくなる」と話す。

(山形新聞)

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