燃料高に泣く夜鳴きそば 名古屋の73歳店主 【中日新聞】
チャルメラを鳴らしてラーメンを売る「夜鳴きそば」がガソリン高に泣いている。
30年のベテラン、名古屋市港区の永谷達男さん(73)は「1杯400 円」の値段を変えずに頑張るが、
めんやチャーシューの仕入れ値も上がり、もうけはぎりぎり。
常連相手に値上げはできず、年金の独り暮らしに廃業の不安がの しかかっている。
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永谷さんが夜鳴きそばを始めたのは39歳の時。
勤めていた織物会社が機械化で人を減らし、求人広告を見て転職した。その時に別れた家族とは連絡がとれていない。
当時は夜鳴きそばがよく売れ、親方は車10台を仕切っていた。
だがコンビニや深夜営業の飲食店が増えるにつれて、仲間は次々に辞めていった。
永谷さんも一度は知人の電気工事店を手伝ったが、体がきつくて17年前に軽トラックを購入、個人営業で夜鳴きそばを再開した。
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今ではその軽トラもくたびれ、チャルメラを鳴らすスピーカーは音がこもり始めた。
それでも「車が動く間は続ける」という永谷さんの心意気に、ガソリン高が水を差す。
月の燃料代は、5月からの2カ月で1万円も上がっている。
製めん所や精肉店からは「卸値を上げる」と告げられた。
1杯で缶ジュース1本分だったもうけは半減し、仕事の後の楽しみの焼酎を減らした。
「でも、子どものころから10年以上、毎週買ってくれる人もおる。だから辞めたくないし、値上げもせん」。
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独りで家にいるよりも、チャルメラの音で出てくる常連に会うのが楽しい。「だからさ、おれのもうけは、まあいいや」
名古屋市健康福祉局によると、自動車による飲食店の営業許可は同市内で約200件。
このうち夜鳴きそばが何件かは分からないという。
永谷さんは「もう何年も、同業者とすれ違ったことはない」と、少し寂しく笑った。
(中日新聞経済部)
















