INTERVIEW

【注目の飲食人に訊く】エムグラント・井戸社長にお話を伺ってまいりました。

デジカメを持ってあちこちにお邪魔しております。

新しいお店や注目のお店などに興味が向うのですが、

たまに「あれ?こんなところにラーメン屋さんあったんだ?」なんていう発見もあります。

京急井土ヶ谷駅に向かう途中にラーメン屋さんらしき看板が出ている場所がありました。

そこに看板が出ているのは知っていましたが、やっているとは認識していませんでした。

いえ、今でもお店をやっているところは一度も見たことがありません。

しかし、あるとき前を通りかかると、シャッターが開いていて、中が見えたのです。

建物は古く、看板もさびていて失礼ながら、とても現役の店舗には見えなかったのですが・・・

カウンターは磨かれ、厨房のステンレスに濁りもなく、

割りばしも真新しいものがはし立にぎっちり詰められていました。

なるほど、私が知らなかっただけで、そこの場所で毎日、魂込めてラーメンを作っているオヤジさんが

そこで商売をなさっていたのですね。

きれいにしているお店を見て、いつかこのお店が開いている時間に井土ヶ谷に戻ってみよう・・・なんて思いました。

 

さて、

先日雨の降りしきる中、いつかインタビューという形で話を聞かせていただきたいとLOGO

以前から思っていた、株式会社エムグラントフードサービス

井戸実社長にお話をうかがってくることができました。

井戸社長は1978年、神奈川県生まれの30歳。M-grant
・「ステーキ&ハンバーグ いわたき」
・いわたきを和風モダンにアレンジした「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」
・博多水炊きの「ふくのかみ」「&「かみのこ」
・ちりとり鍋の「はまじろう」
・新宿野村ビル49階のスカイラウンジレストラン「DNA」など

その他プロデュース店舗なども手掛けられている、いま業界で注目のやり手の飲食人です。

 

井戸さんのお父さんは公務員をしており、男3人兄弟の末っ子として生まれました。

小学校の卒業文集「将来の夢」に書かれていた井戸さんの当時の夢は「プロ野球選手」

一見普通の小学生の、普通の「将来の夢」であるように思われますが・・・

井戸さんの「将来の夢」は、かなりリアルな夢を描かれていたそうです。

それは、「帝京高校に行ってその後ドラフトで1位指名。契約金は1億円」。

 

井戸さんは自分で「いやな小学生だったでしょ?」とおっしゃいますが、いやはやどうして。確かに漠然と夢を描くのが普通の小学生かと思います。しかし、ここまで目標がはっきりとした「小学生の夢」はあまり私も目にしたことがありません。今思えば当時から自分に課題を課すことが癖になっていたのかもしれない・・・と井戸さんは語ります。

 

小学生当時、無遅刻無欠席。もちろん健康優良児だったのは言うまでもありませんが、それ以上に「休んだら負け」という意識が強かったのだそうです。今思えば自分でも「かなりストイックな小学生だったかも・・・」とのことです。

 

その夢も、実際は中学1年の時に破れたんだそうですが・・・

中学を出る頃には「すし屋さんになりたい」という夢がすでにあったそうです。

umesan

動機はというと・・・あの「ど根性ガエル」に登場する、すし屋の「梅さん」だったそうです!

今思えば・・・梅さんってとっても粋な男だったかもですね。

しかし、お母様から「そんなに急がなくても!高校3年間遊んでからでも遅くないでしょ!」と、

高校進学を勧められ・・・ 近隣の県立高校へ。ま、親御さんの立場からしたら当然、そういうでしょう。

 

高校を卒業後は「築地すし好」へ。そこで22まで厳しく鍛えられ、

その後レインズ、小林事務所、店舗流通ネットと渡り歩いて

物件、メニュー開発、業態開発のノウハウを身に付けた。

 

saレインズは当時イケイケでした。

破竹の勢いの中にいたレインズ時代より、

実はその後の小林事務所時代に、

小林敦社長 に相当鍛えられたと井戸さんは言います。

 

 

その後フューチャークリエイト(現・TRN)へ。

井戸さんいわく「成績も平均的な、普通の営業マンでしたよ」とのことでしたが

井戸さんがこの会社を選んだのは、

独立に向け店舗物件にもっとも近い位置にいられるという動機があったのだそうで。

そして在職中に、のちにワイズフードシステム を立ち上げる吉川誠人 さんと出会います。

当時TRN社のコンサルティング部部長だった吉川 さんが、

社内ベンチャーのような形で発足させたワイズフードシステム に井戸さんは取締役として参加しました。

 

ワイズ時代に、後に自由が丘で「はじめの一歩」 を立ち上げる石垣創さん

株式会社RYコーポレーションの横山社長などの仲間が出来ます。

その後平成18年にエムグラントフードサービスを設立。

以降の活躍は皆様も良く知るところだと思います。

 

 

井戸さんは事業拡大について、このように語ります。

「1号店から3号店まで、確実に全部繁盛店に出来たなら拡大する必要はないんじゃないかな?

自分の生活レベルを考えたなら・・・ね。」

そう、井戸さんが事業拡大をするには理由があります。それはフューチャー社に在籍中取得した物件で出した一号店が成長していく様を目の当たりにしながら・・・「自分が『こんな店があったらいいな』という思いを込めて出店した店舗に、こんなにお客さんが来てくれるなんて!」と感じたそうです。
今まで数え切れないほどの飲食店のOPENに立ち会ってきた井戸さんでしたが、自分の城に多く人が集まってくれて、みんな楽しそうに帰宅されるまで見送ることが出来る。こんな快感をこれまで体験できたことがあっただろうか?!
自分の城を持つってことがこんなに素晴らしいことならば、一人でも多くの人たちにこれを味わってもらいたい!

自分が今まで培ってきた出店ノウハウを生かして店舗を立ち上げて、出店意欲、独立志向のやる気のある人に自分が立ち上げた店舗を運営してもらって、その快感を味わってもらえればよいのではないか?

 

このように井戸さんは考えたそうです。その思いを実現していくためには店舗数を増やさなければ。しかし、今の自分が店舗数を増やしていくには、資金を多くかけることは出来ない。居抜で前店舗のもつ味を生かして、ローコストで出店していくということが必要だ!

この信念で井戸さんは出店を続け、今の店舗数になっているという話を聞きました。

 

井戸さんは、自身の経営理念について数々の名言を残されていますが、

今回のインタビューの中で思いついた格言がありました。それは・・・
.
「浪費は出来ないけど投資は出来る!」

 

つまり「計画の範囲内で成長を続けていくことが大事」なのだということなのだそうです。

 

井戸さんは40歳(あと10年)で引退、その後は

今の立場を後進に譲ることを目標に掲げています。

そのためにはあと10年増収増益を続ける必要があります。

この「増収増益を続ける」というところがキモで

無理をして急激に伸ばすとその途中で減益する場面にかならず当たるはずだと。

だからこそ「計画の範囲内で」という部分が重要なのだと語ってくれました。

40歳になって後継者に経営トップの座を譲ることを計画している井戸さんは、次にやりたいことまで計画していらっしゃるそうです。それは外食産業のための投資(ファンド)だそうで。
もちろん、それを実現するための数字まできちんと目標に掲げていらっしゃる井戸さんは、必ずや実現することと思います。
目標とは10年後のそのとき、エムグラントは「売り上げ100億、経常利益5%(5億)、そしてその時には無借金である」ことが、それらを実現できる条件になるといいます。

 

この時には月間4000万のキャッシュフローがあり、

エムグラントの店舗は1店舗2000万で出来るようにとの方針でいく。

そうすると月に2人の経営者を独立させることが出来る。

 

これらの計画を企て、実現させていくにはどうしても規模を追求していく必要がある。

だから今は経営を拡大していく必要がある。このように井戸さんは語ってくれました。


「存続し、発展し続ける企業」 これが井戸さんの掲げる大きな目標です。

 

26歳で独立、30歳の今は27店舗のリーダーに。

一つ一つ成し遂げて、その瞬間に得られた「達成感」は何ものにも変えがたいものがある。

この達成感を一人でも多くに味わってもらいたい。

これが今、拡大し続ける理由だと言います。

 

しかし井戸さんは、かつての「大手ナショナルチェーン」を作るのは今後不可能だといいます。

あの「すかいらーくグループ」の総帥・横川氏の話を聞く機会がありました。

彼は、こう言い放ったのだそうです。

「これからは、個店の時代だ。」と。

 

確かに、規模のメリットは計り知れないほどあり、

これまでの外食産業はそのメリットを追ってここまで成長を遂げてきました。

しかし、ここ最近はそのデメリットばかりがとりただされるようになって来ました。

最大のデメリットは「マネジメント」です。

業界No1の所得水準を誇るあのマクドナルドですら、

「名ばかり店長」など労使の問題を含め、まったくマネジメントできていません。

いえ、無理なのでしょう。

 

井戸さんは「小さな本部」こ そが、それらの問題を解決する唯一の道だと考えています。やはりリーダーが身近にいるということが大事なんですね。「小さな本部」で拡大していくには業務 委託というものが有効で無いかと考えられています。本部経費のなかでかなりの負担となる労務管理や福利厚生など、それなりの法人格になると持っていなけれ ばいけないものでも、業務委託だとそれぞれの法人の各オーナーの手にそれらは委ねられることとなり、本部が負担しなくてはならない負担が減ります。それに、福利厚生にいたっては、実は委託先のオーナーさんにお任せしたほうが行き届いていたりするものです。

 

今回は、井戸社長から「目からウロコ」の経営哲学を、

このほかにもたくさんお聞きすることが出来、

本当に勉強になりました。

忙しい中、1時間も時間を割いていただきqありがとうございました。

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