INTERVIEW

京都の「まんざら」ではない銘店

老舗と伝統の街、京都の異端児はまんざらでもない

今から24年前、料理人としての下積み経て、

27才の時、京都市の北に10坪の店を構えたのが経営者としての始まり。

「当時は商売人としての自信は85%くらいなかったですよ」

そう語るのは、現在、市内にまんざら本店をはじめ、

7ブランド10店舗の飲食店を経営する株式会社ステップ 木下博史社長。

関西ではあまり耳にしないまんざらでもないは、

そう、良くも悪くもない、すなわち、まんざらでもない店で十分と、

控えめな意味でのスタートだったと振り返る。

ー伝統、暖簾を守る京都のど真ん中にあって、町家を改装しての旗揚げ。ご苦労もあったのでは?

ー割烹、料理屋としてのプライドもあるんでしょう、よそ者や新しいものには冷たいというのは、伝統を守る土壌だけに仕方のないことですね。嫌がらせとまではいきませんが、当初はやりづらいこともありました。しかし、そんな街だからこそ、私なりの一見さんでも入れる仕切りのない店作りでやってきました。

ー今では町家造りのお店をはじめ、モダンなワインバーも展開されているようですが、京都町家にはこだわりとかはないのでしょうか?

ー物件自体は東京に比べて格段に手頃なんですが、維持費がかかるんですよ、なにせ120年前の建物ですから。町家へのこだわりですか?あるといえばあるし、無いといえばないです。ワインバーも自分が好きだからやってみようと思っただけですから(笑)

ー今では10店舗経営されていらっしゃいますが、これは参った!という、なにかそういったご経験は?

ーあはは、そうですね、今でもある店なんですが、京都でいわば怖い方達がいらっしゃるエリアに、カウンター8席の小さな料理屋を出したんですが、ありがたくもその筋のお客様に気に入られてしまったのか、23ヶ月の間、毎晩いらして頂く時期がありまして、一般のお客様が寄り付かなくなって困った時期がありましたね。

ーどうされたんですか?

ー帰れともいう訳にもいかず、ただただ無口で、愛想も無く、その内予約入ってましてと、遠回しにお相手しているうちに自然といらっしゃらなくなりました。

ー京都以外には出店は考えてらっしゃらないのですか?

ー実は、これも失敗談というか、8年程前に、東京の西麻布に出店したことがあるんですよ。出足は良かったんですが、土地勘も無く、人に任せっきりというのがいけなかったのか、5年くらいで撤退しました。今にして思えば、自分自身が有頂天になっていた時期でしたから、それが大きな原因かもしれませんね。

社員48名、アルバイト100名を超える、今や京都では有名店であるまんだらの木下社長「京都の移動は自転車が一番ですよ」と、おっしゃる通り、町家造りの店の前に堂々とママチャリを停める姿が何故だか格好よく見える。掲載用の写真をお願いしたところ、悪いことできなくなるからと、笑いながらかわされてしまった。

写真はSmiler03号のグラビアを飾ってくれた

まんざら亭先斗町の尾田育愛さん

取材協力:まんざら本店


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